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コラム

コートで子どもに伝えている3つのこと

公開日2026.06.03編集部 · 5 min
コラムNO. 03
3
3 LESSONS

ミニバスのコーチをしていると、技術より先に伝えたいことがあります。シュートの打ち方より、ドリブルのコツより、もっと手前。「どういう気持ちでバスケと向き合うか」みたいな話です。

私が子どもたちに繰り返し言っているのは、たった3つ。今日はその3つを書きます。そして面白いのは、これ、NBAのトップレベルでもそのまま通じるんです。子どもに言っていることが、世界最高の選手にも当てはまる。私はそこに、バスケの普遍性を感じています。

① バスケって、習慣だよね

最初に伝えるのは、「バスケは習慣だよ」ということです。

特別な日だけ頑張るんじゃなくて、毎日の積み重ねが体を作る。シュートも、ハンドリングも、結局は「どれだけ手に馴染ませたか」で決まります。一夜漬けが効かないのが、このスポーツなんです。だから私は「今日ちょっとだけでもいいから触ろう」と言い続けています。

これ、NBAでも同じです。トップ選手ほど、地味な反復を欠かしません。試合で平然と決めているあの動きは、誰も見ていない時間に何百回と繰り返した結果。華やかなプレーの裏に、退屈なほどの習慣がある。子どもにも、それを感じてほしいんです。

だから私の声かけは、シンプルです。練習でいちばん多いのは「がんばろー」。そのうえで、今この時期に何を習慣にしたいのか──そのポイントを短いフレーズにして、毎回くり返し伝えます。それが習慣になったら、次の習慣へ。「積み重ねが大事だよ」とは、もう口ぐせみたいに言っています。

② 一生懸命やろう──応援されるのは、そういう選手だから

2つ目は、「一生懸命やろう」。これはプレーだけの話じゃありません。練習も、試合も、楽しむことも、全部に対して本気で、ということです。

なぜそこにこだわるか。私は、一生懸命やっている選手やチームこそ応援されると思っているからです。上手いだけの選手より、最後まで走り切る選手のほうが、見ている人の心を動かす。スタンドが沸くのは、たいてい「諦めない一本」の場面なんです。

このことは、トップレベルを見ていても感じます。私がいちばんに思い浮かべるのは、やっぱり LeBron James です。年齢を重ねて体力が落ちる時期を取り上げられることがあるのは、私も知っています。でも、41歳であそこまでやれますか、と。本当にすごいんです。

特に感じるのは、勝負どころのスイッチ(守備で相手の担当を入れ替えること)の入れ方。ここぞの場面で、誰につくか、いつ替わるか──その判断と踏み込みに、長年の経験がにじみ出ています。スピードや跳躍だけじゃない。「最後まで頭と体を全部使って勝ちにいく」あの姿に、コートの内外が反応するんです。スタッツの数字以上に、ああいう全力が人を惹きつけるんだと思います。

子どもには、勝ち負けより先にそこを大事にしてほしい。一生懸命は、いちばん伝わりやすい言葉だから。

③ まずは、やってみよう

3つ目は、「まずやってみよう」です。

子どもは、できないことを怖がります。「失敗したらどうしよう」で足が止まる。でも、やってみないと何も始まらない。だから私は、結果より「挑戦したこと」をまず褒めるようにしています。新しいムーブも、苦手なほうの手のドリブルも、「とりあえずやってみた」をいちばん評価する。

これもNBAに通じます。トップ選手だって、最初は誰もが「やってみた」一人。新しい武器を試し、ミスを重ね、それでも打ち続けた人が、新しいプレースタイルを切り開いてきました。今のリーグの常識も、誰かが最初に「まずやってみた」結果なんです。挑戦を止めた瞬間に、成長も止まる。子どもにも、世界最高の選手にも、ここは同じだと思っています。

3つは、つながっている

習慣・一生懸命・まずやってみよう。並べてみると、この3つはバラバラじゃないんです。

「まずやってみる」から始まって、それを「習慣」にして、「一生懸命」続ける。すると、いつのまにか応援される選手になっている。技術はその先に、後からついてくる。私はそう信じて、毎週コートに立っています。

結び

難しい戦術の話じゃなくてすみません。でも、ミニバスのコートで本気で言っているこの3つが、NBAのトップでもちゃんと生きている。それって、けっこう励まされる話だと思うんです。次にNBAを見るとき、スタッツの裏にある「習慣」や「全力」や「挑戦」を、少しだけ探してみてください。きっと、見え方が変わります。

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