キャバリアーズ対ニックス(Cavaliers vs Knicks)のECF Game 3は、シリーズ 0勝2敗 で追い込まれたCLEが、ホーム・Rocket Arena で迎える第1戦です。NBA史上、0-2からの逆転は 7.4%(459例中34例)。数字の上では崖っぷちなんです。
ただ、CLEには手綱が1本残っています。元MVP・Harden の「TO 6→0」です。G1で6ターンオーバー、G2で0ターンオーバー──この変化が、CLEがG2に2桁差まで詰めた地味な理由でした。
この記事では、「TO 0」を 進化の光と影 の両面で読み解きます。守備で勝った数字なのは間違いない。ただ、攻撃の創出はまだ取り戻せていません。G3で Harden が「司令塔」に戻れるかが、シリーズの分水嶺になります。
シリーズは NYK の 2-0 で東カンファレンス決勝が動き出しました。G1(5/19・MSG・OT)は NYK 115-104。4Q残り7:48に22点ビハインドから逆転され、4Qだけで 32-18 のランを浴びた試合です。Brunson が 38点・6AST・5REB、終盤14点。Mitchell は29点でしたが、ラスト13分は Anunoby のマークで 0点 に抑え込まれました。
G2(5/21・MSG)は NYK 109-93。第3Qで 4分44秒の18-0ラン が出て、53-53から71-56に開きます。Brunson の3Pで火がついて、Hart の3Pが連発した時間帯です。Hart が 26点・10/21FG・3P 5/11 でプレーオフ自己最高、Brunson は 19点・14AST で自己最高アシスト。
そんな夜に、CLE側で起きていた小さな変化が Harden の TO 6→0 でした。G1で6ターンオーバーを記録した元MVPが、G2では 0ターンオーバー。これがCLEがG2に2桁差まで詰めた地味な理由なんです。
ここがこの記事の本丸です。「TO 0」を運営者がどう読んだか を、過程込みで書きます。
まずG1で何が起きたか。Brunson が Harden 相手に 「7/11」のスイッチ狩り をやっていました(前回G2プレビューで扱った数字です)。スクリーンで意図的に Harden へスイッチさせ、ミスマッチでアタック。Harden は 6ターンオーバー、Knicks に走られて4Qで沈みました。
G2でCLEがやったのは、シンプルな修正です。Harden にボールを長く持たせない。ピック後の判断を早くして、トラップが来る前にパスを出す。アタックの選択肢より「リスクを切る」方を優先する設計でした。結果がターンオーバーゼロ──これは守備で勝った数字です。
ただ、ここで止まらず もう1段深く 読みます。「TO 0」と「18点」を並べて見ると、別の顔が出てくるんです。元MVPが18得点でターンオーバーゼロ。これ、創出役の数字ではありません。ボールを早く離す=創出機会を諦めている 副作用でもあるんです。
言い換えれば、G2の Harden は 「壊さなかった」けれど「作っていない」。CLEの攻撃は Mitchell が個でこじ開ける構図に戻り、Mobley は前半14点・後半0点・0FGAと 消えてしまった。創出役が一段薄くなった結果が、第3Qの18-0ランを許した遠因とも読めます。
運営者の読み方を一度まとめると、こうです。TO 6→0 は「守備の進化」であって「攻撃の進化」ではない。進化には光と影があって、G3で見たいのは 影の側=司令塔としての創出 です。ピック後にもう1拍ためる、トラップを引き寄せて味方に渡す、Mobley をフローの中に戻す──「TO 0のまま、AST が一段増える」夜が来れば、CLE は本当の意味で進化したと言えます。
前回G2プレビュー(記事リンク)で書いたのは、こうでした。「Brunson が Harden 相手に 7/11 でスイッチ狩りをやっている。これをCLEが切れるか」。
G2 で出た答えが TO 6→0 です。スイッチ狩りそのものを完全に止めたわけではない。ただ、「狩られた後に失わない」形でCLEは対応した。ターンオーバーを切ったから、Knicks のトランジションが伸びにくくなり、半端なミスマッチに付き合わずに済んだ。ここは確実な進歩です。
そしてG3の問いはもう一歩先になります。「TO 0のまま、Harden が司令塔役で味方を生かせるか」。守備で勝つだけでは0-2は捲れない。攻撃の創出を、Mitchell 任せから Harden と分担するモードに戻せるか──ここが分水嶺です。
Harden のテーマと並んで、CLE には 2つの宿題 があります。
1つ目は Mobley の後半消失。G2は前半14点と機能していたのに、後半は 0点・0FGA。これは Mobley 個人の問題というより、CLEの攻撃が「Mitchell の個」に寄ったために、Mobley をフローの中に呼び込めなかった結果に見えます。Harden が司令塔役に踏み込めば、Mobley のショット数は自然に戻ります。
2つ目は ベンチの惨状。G2のCLEベンチは FG 3-of-19・3P 1-of-15。先発が頑張っても、控えが22本撃って4本しか沈まない夜は厳しい。FT も 68.8%(10本失敗)と地味に効いていました。ホームに戻れば数値は普通に戻る可能性が高いですが、戻らなければ0-3です。
G3で「Harden 進化の次の一手」が見られて、なおかつ Mobley のショット数が二桁・ベンチの3Pが35%超──このセットが揃えば、CLE は2勝目の前に1勝目を取れます。
G3でCLEファンが見るべきサインは、シンプルに3つです。
1つ目は Harden のアシスト数。G2の0TOを維持したまま、AST がG2比で1〜2本以上増えれば、「壊さない」から「作る」へのモード移行が始まったサインです。
2つ目は Mobley の後半FGA。後半に5本以上撃てているか。撃てていれば、フローが戻った証拠です。
3つ目は 第3Qの失点。G2のCLEは第3Qに18-0ランを浴びました。Knicks は第3Qの試合をする習慣がついている。第3Qを互角で抜けられるか──ここが勝敗を決めます。
シリーズは NYK 2-0。確率の上では7.4%。ただ、Harden の「TO 6→0」が 守備の進化の証 だとすれば、G3 はその先=創出の進化 を見られる夜になり得ます。0-2 を捲るには、進化をもう1段深くするしかない。
今日の1つの持ち帰り はこれです。「TO 0」は良いだけの数字じゃない。守備で勝った代わりに、攻撃の創出を一旦諦めている。G3 で Harden が 「TO 0のまま、司令塔に戻る」 一歩を見せられるか──そこが今夜の本当の見どころなんです。
ティップオフは JST 9:00。朝のコーヒー片手に、Harden のパス1本目に注目してみてください。
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