【リキャップ】ニックス対スパーズG5、94-90で53年ぶり戴冠──Brunson45点、決めたのは第4Qの守備
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94-90。ニックスが53年ぶりに頂点へ戻ってきた
ニックス対スパーズ(Knicks vs Spurs)のファイナルGame 5は、94-90[1]でニックスが勝ち、シリーズ4勝1敗で幕を閉じた。1973年以来、実に53年ぶり[2]のNBA制覇です。
前半は最大16点のビハインド。それをほぼ1人で引き戻したのが、Jalen Brunsonの45点でした。そして最後に勝負を締めたのは、点ではなく守備だった。前日のプレビューで立てた「後半の修正は効くか」という問いに、サンアントニオで答えが出た夜だ。
- 53年ぶりの優勝 ── 1973年以来。4勝1敗でスパーズを下し、ニックスがフランチャイズ3度目の戴冠を果たした
- Brunson 45点 ── ニックスがNBAファイナルの1試合で記録した個人最多得点。従来記録は1970年のWillis Reed 38点だった
- 決め手は第4Qの守備 ── スパーズを18点・FG7-22に封じてクローズ。撃ち合いではなく「締める力」が星を獲った
背景と文脈:王手から1勝、ただしロードでの決着だった
シリーズはGame 4を終えてニックスの3勝1敗。あと1勝で53年ぶりの優勝という王手の状態でした。ただ舞台はスパーズのホーム、サンアントニオ。崖っぷちの相手が一番元気な場所での決着になる。
実際、序盤の主導権はスパーズが握った。第1Qはスパーズの23点に対してニックスは13点。立ち上がりで一気に10点を離され、前半のどこかでは16点まで差が開いた。
そこからの巻き返しが、この試合のすべてを語る。クォーター推移を見てください。
| TEAM | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|
| NYニックス | 13 | 24 | 28 | 29 | 94 |
| SAスパーズ | 23 | 19 | 30 | 18 | 90 |
第1Qは10点ビハインド。それが第2Q以降は1度も負けていない。尻上がりに得点を積み、最後の第4Qで29-18と突き放した。立ち上がりの悪さを、残り36分でじわじわ消した形だ。
データブロック①:ロースコアの撃ち合いを「守備」で締めた夜
最終スコア …… ニックス 94 - 90 スパーズ
シリーズ ……… ニックス 4勝1敗(1973年以来53年ぶり優勝)
最大ビハインド … 16点(前半)→ 後半に逆転
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第4Q ………… NYK 29 - 18 SAS
スパーズ第4Q … FG 7-22(約31.8%)
Brunson ……… 45点(FG14-27・3P4-7・FT13-15)
=ニックスのファイナル1試合・個人最多得点
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ベンチ得点 …… スパーズ32 vs ニックス9
Wembanyama … 19点14リバウンド(FG7-19)
Fox … 3-15/Castle … 1-10(スターター不振)
数字で目を引くのはBrunsonの45点だけど、勝敗を分けたのは別の行だと思っています。第4Q、ニックスはスパーズを18点・FG7-22に封じた[1]。1試合トータルで90点しか取れていないチームの、最後の12分をさらに絞り上げた。
つまりこれは点の取り合いに勝った試合ではなく、取らせない力で締めた試合でした。お互い90点台前半というロースコアの接戦を、最後にもう一段ギアを上げて守り切ったほうが優勝した、という構図になる。
詳細分析:エースが引き戻し、仕組みが締めた
前半16点ビハインドからの逆転は、まずBrunson個人の仕事だった。FG14-27、3P4-7、そしてFT13-15[3]。ファウルをもらって止まらず、フリースローで点を刻み続けた。45点という数字は、ニックスがNBAファイナルの1試合で記録した個人最多得点になります。これまでの球団記録は1970年のWillis Reedの38点だったので、56年ぶりの更新だ。
ただ、優勝を「個人技で決めた」と書くと半分しか伝わらない。残り約65秒、勝ち越しのショットを沈めたのは確かにBrunsonでした。でも、その1本を「勝ち越し」たらしめたのは、その前後でスパーズに点を返させなかった守備のほうなんです。
私が週末に教えている小学生のチームでも、競った終盤に必ず言うことがあります。「最後の1本を決めるのはエースでいい。でも、その前に1本止められるかは全員の仕事」。点は1人で取れても、ストップは5人そろわないと作れない。第4QのFG7-22は、まさにその5人ぶんの集中が出た数字だ。NBAの頂上決戦でも、勝負を締める骨格は同じだった。
では、プレビューの答え合わせをしましょう。前日に私は「スパーズが逆襲するなら後半の修正が条件」と書いた。結果、修正したのはスパーズではなくニックスのほうでした。前半に開いた差を、後半の守備で逆に詰め切った。問いの答えは「効いた。ただし効かせたのは追う側だった」になる。
選手スタッツ(box score):二桁得点はNYK4人・SAS4人
| 選手 | PTS | REB | AST | 3P | FG | MIN |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ニューヨーク・ニックス | ||||||
| #11Jalen Brunson | 45 | 3 | 3 | 4-7 | 14-27 | 41 |
| #25Mikal Bridges | 14 | 2 | 4 | 3-7 | 5-10 | 39 |
| #3Josh Hart | 13 | 11 | 2 | 3-6 | 4-11 | 39 |
| #8OG Anunoby | 11 | 8 | 0 | 1-5 | 3-11 | 33 |
| サンアントニオ・スパーズ | ||||||
| #2Dylan Harper | 25 | 5 | 4 | 2-4 | 10-19 | 31 |
| #1Victor Wembanyama | 19 | 14 | 2 | 1-6 | 7-19 | 38 |
| #30Julian Champagnie | 14 | 7 | 1 | 4-8 | 5-9 | 31 |
| #24Devin Vassell | 12 | 7 | 2 | 2-5 | 5-8 | 39 |
※ 数字は PTS/REB/AST、3P・FGは(成功/試投)。出典:ESPN box score(gameId 401859967)
ニックスは二桁得点が4人。Brunsonの45点に、Bridges 14点・Hart 13点(11リバウンド)・Anunoby 11点が続いた。エースに依存しつつも、要所で援護が出ている。一方のスパーズはHarperが25点(FG10-19)と気を吐き、Wembanyamaは19点14リバウンドながらFG7-19と効率を欠いた。
痛かったのはスターターの不振だ。De'Aaron FoxはFG3-15、Stephon CastleはFG1-10。この2人で合計4-25という確率では、ベンチが32点(対するニックスのベンチは9点)と踏ん張っても届かなかった。
データブロック②:53年という空白の重さ
今回の優勝 …… 2026年(4勝1敗・対スパーズ)
前回の優勝 …… 1973年(53年前)
ブランクの長さ … 53年ぶり
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ファイナル1試合・個人最多得点(ニックス球団)
1位 … 45点 ── Jalen Brunson(2026 G5)
2位 … 38点 ── Willis Reed(1970 ファイナル)
─────────────────────
※ レギュラーシーズン込みの球団最多はBernard King 60点
上の45点は「NBAファイナルで」の限定記録
53年という数字は、ピンと来にくいかもしれない。前回優勝の1973年から、世代でいえば祖父・父・子の3代ぶんに近い空白です。その間ずっと「いつかまた」と言われ続けたチームが、ようやく頂点に戻ってきた。
そしてBrunsonの45点は、あの伝説のWillis Reed(1970年の優勝立役者)が持っていた38点という球団のファイナル記録を上回るもの[3]。なお無限定の「ニックス史上最多」とは別物で、レギュラーシーズン込みではBernard Kingの60点があるため、ここは「NBAファイナルで」という限定が付く点だけ補足しておきます。
サブトピック:Finals MVPは公式発表待ち
これだけの45点を見せたBrunsonには、当然Finals MVPの呼び声が高かった。下馬評でも有力視されていた一人だ。ただ、現時点でCourt Visionとしては公式発表の確証が取れていません。
なので断定は避けます。Finals MVPは公式発表待ち、というのが正確な状況だ。確定し次第、改めて触れる予定にしておきます。数字のうえでシリーズを牽引したのが誰かは、box scoreを見れば多くの人が同じ名前を思い浮かべるはず。
今後の展望:王朝の入口か、一度きりの頂か
シーズンはこれで終了。次にニックスへ問われるのは「これが始まりになるか」です。Brunsonを軸に、Bridges・Anunoby・Hart・Townsという顔ぶれは比較的若く、来季も主力で戦える編成だろう。
敗れたスパーズも、悲観する内容ではない。Wembanyamaはまだ伸び盛りで、Harperら若手が大舞台で25点を取れることも証明した。今回のファイナルは、しばらく続きそうな両チームの物語の「第1章」だったと見るのが自然だと思います。
前半16点ビハインド、Brunson45点、そして第4Qの18失点。3つの数字を並べれば、この一夜がどんな試合だったかは十分に伝わるはず。1973年以来の歓喜を、まずはこの94-90という数字とともに記憶に置いておいてください。長いシリーズに付き合ってくれて、ありがとうございました。
出典
[2] ニックスが4勝1敗で優勝、1973年以来53年ぶりのNBA制覇:ESPN「2026 NBA Finals」/NBA.com history でクロスチェック https://www.nba.com/news
[3] Brunson 45点(FG14-27・3P4-7・FT13-15)=ニックスのNBAファイナル1試合・個人最多得点(従来記録=1970年Willis Reed 38点):ESPN box score / recap(gameId 401859967) https://www.espn.com/nba/boxscore/_/gameId/401859967
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