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戦術分析

Wembyを「半減」させた守備調整とは──サンダー対スパーズ、舞台はサンアントニオへ

公開日2026.05.23編集部 · 5 min
戦術分析NO. 20
41→21
WEMBANYAMA

サンダー対スパーズのWCF(カンファレンス・ファイナル)、日本時間5月23日 朝9:30からGame 3です。シリーズは 1勝1敗、舞台はホームのサンアントニオへ移ります。象徴的なのは 「41→21」──G1で 41点24REB とコートを支配した Wembanyama を、サンダーはG2で 21点 に「半減」させたんです。なぜ半分にできたのか。その守備調整を 数字 → なぜ → 意味 の3層で分解し、ホームのスパーズが取り返せるかを展望します。

この記事のポイント
  • Wembyを41→21に半減──サンダーのG2守備調整。得点だけでなく「役割」を変えさせた。
  • 勝因はWemby封じ"以外"にある──ベンチ57-25、相手のミスからの得点27-10。層の厚さが効いた。
  • G3は波乱含み──Fox・Harper・Jalen Williamsの3人が出場未定。ホームのスパーズの反撃材料は何か。

背景──Game 1 の「41」から Game 2 の「21」へ

G1(5/18・OKC開催)は、下馬評を覆す 122-115のダブルOT(2回の延長) でスパーズが奪取しました。主役は Wembanyama、41点24REB3BLK、出場48分超はキャリアハイ。22歳での40-20はカンファレンス・ファイナル史上でも稀という大暴れでした。

ところがG2(5/20・OKC開催)は一変します。サンダーが 122-113 で勝ち返し、シリーズは 1勝1敗。Wembanyama は 21点17REB6AST4BLK──リバウンドとブロックは出ているのに、得点は 41→21とちょうど半分になった。この「得点だけが落ちた」という形に、サンダーの設計が見えるんです。

データブロック①──Game 1 と Game 2 のキー数値

■ G1スコア:SAS 122 - OKC 115(2OT=2回の延長)
■ G1 Wemby:41点・24REB・3BLK・48分超(FG14/25・FT12/13)
■ G1 Harper(SAS):24点・11REB・7STL(初先発・スパーズPO記録の7STL)
■ G1 SGA:24点・12AST(FG7/23と苦戦/この日2年連続MVP受賞発表)
■ G1 Caruso:キャリアハイ31点・3P8/14/JW:26点
■ G2スコア:OKC 122 - SAS 113(サンダー勝利・1-1)
■ G2 Wemby:21点・17REB・6AST・4BLK(得点はG1の半分)
■ G2 SGA:30点/Caruso17・Holmgren13・McCain12・Wallace12
■ G2 Hartenstein:10点・13REB/Castle25・Vassell22(SAS)
■ G2 ベンチ得点:OKC 57 - SAS 25
■ G2 相手のミスからの得点:OKC 27 - SAS 10
■ G3:5/23 朝9:30 JST・サンアントニオ開催(ホーム=Spurs)

ポイント①──「41→21」を作った守備調整:数字 → なぜ → 意味

【数字】 G1で41点のWembanyama が、G2は21点。FG試投も減り、得点源としての爆発力が消えました。一方でリバウンド17・アシスト6は残っている。つまり「コートにいなかった」のではなく、「得点役から外された」のがG2なんです。

【なぜ】 サンダーが効かせたのは、ペイント(ゴール下)への侵入を早い段階で潰す守りです。Holmgren と Hartenstein という長身を交互に当て、Wemby がゴール近くで仕事をする前に体を寄せる。すると Wemby はパスを選び、得点よりも配給(6AST)に回らざるを得なくなった。スパーズの得点を 「Wemby個人」から「周りの単発」へ 分散させた、と言い換えられます。

【意味】 ここがポイント。サンダーの狙いは「Wembyをゼロにする」ではなく、「最も効率のいい得点源(Wembyのペイント)を、効率の落ちる得点(周りの外角・単発)に置き換える」ことです。実際G2で点を取ったのは Castle25・Vassell22。悪くない数字ですが、Wembyのペイント支配ほどの確実性はない。得点の「質」を下げさせたのがサンダーの解答でした。

ポイント②──勝因は「Wemby封じ」だけじゃない

ここで見落としたくないのが、G2のサンダーの勝因は Wemby封じ "以外" にもあった という点です。むしろこっちが本体かもしれません。

【数字】 ベンチ得点 OKC 57 - SAS 25。控え選手の得点で 32点差がついた。さらに相手のミスからの得点(points off turnovers=相手のターンオーバーから直接奪った点)が 27-10。この2つだけで試合の9点差を説明できてしまいます。

【なぜ】 サンダーは Caruso17・McCain12・Wallace12 と控えが二桁を並べた。先発が止められても、次の波が途切れない層の厚さです。対してスパーズはベンチが25点止まり。スターター依存の構図が、そのままベンチ得点差に出ました。

【意味】 Wembyを封じても、それだけでは勝てない。G2でサンダーが示したのは 「Wembyを薄めつつ、ベンチと速い攻めで上積みする」二段構えでした。スパーズがG3で取り返すには、Wembyを41点に戻すだけでなく、このベンチ差・ミスからの失点を埋める必要があります。

データブロック②──G1とG2の「対比」で見えるもの

■ Wemby得点:G1 41 → G2 21(半減)
■ Wembyの形:G1=爆発型(41点)→ G2=配給型(6AST・得点は抑制)
■ 勝者:G1 SAS → G2 OKC(1勝1敗)
■ SGAの効率:G1 FG7/23 → G2 30点(立て直し)
■ ベンチ得点(G2):OKC 57 - SAS 25
■ ミスからの得点(G2):OKC 27 - SAS 10
■ G3の変数:Fox・Harper・Jalen Williams の3人が出場未定
■ ホーム:G1G2=OKC → G3=サンアントニオ(SAS)

サブトピック──ハンドラー3人が出場未定、G3はメンバー読めず

G3最大の不確定要素が、ボールを運ぶ役(ハンドラー)3人の出場未定です。5/22時点で全員 questionable(出場するか未定)の扱い。

  • De'Aaron Fox(SAS)──右足首ねんざでG1G2を欠場。戻れば速い展開を作れる。
  • Dylan Harper(SAS)──G2の3Qで離脱。当初ハムストリングと報じられたが、MRI後の診断は右内転筋(足の付け根内側)の張り。G1で24点11REB7STLと暴れたルーキーだけに痛い。
  • Jalen Williams(OKC)──G2の1Qで左ハムストリングを痛め離脱、MRI実施。サンダーの第2エースで、SGAの相棒。

面白いのは、出場未定が 両チームに散っていること。スパーズはハンドラー2人(Fox・Harper)、サンダーは1人(JW)。Foxが戻ればスパーズの速攻が鋭くなる一方、JWを欠けばサンダーはSGA頼みになる。誰が出るかで戦い方ごと変わるのがG3です。当日の出場可否は試合直前まで動くので、ティップオフ前のメンバー発表は要チェックなんです。

今後の展望──ホームのスパーズが取り返す条件

舞台はサンアントニオ。スパーズはホームの後押しを受けます。取り返す条件を整理すると、こうです。

Wembyを「41」に戻す──ペイントで仕事をさせるため、外から引き出す動きや早い展開でサンダーの長身を動かす。②ベンチの上積み──G2で開いた57-25の差を埋めないと、スター頼みのままでは押し切られる。③ボールを大事にする──ミスからの失点10対27の逆を作らないと、サンダーの速い攻めが止まらない。

今日の1つの持ち帰りはこれです。「41→21」は、Wembyを止めた数字ではなく、得点の"質"を入れ替えた数字。得点・リバウンド・アシストを別々に見ると、止まっていないのに勝てた理由が見えてきます。

1勝1敗で迎えるホーム初戦。立ち上がりにスパーズが「41」の片鱗を取り戻せるか、サンダーがまた「21」に抑え込むか。朝のティップオフ、最初の数分から面白いはずです。

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