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戦術分析

3つの予想が Game 1 で現実に──Wemby 41-24・若手覚醒・MVP 7/23、2OTでスパーズ奪取

公開日2026.05.19編集部 · 10 min
戦術分析NO. 28
2OT
WCF GAME 1 RECAP

日本時間5月19日朝、ウェスタン・カンファレンス・ファイナル Game 1。スパーズが 122-115(2OT)でサンダーを下し、シリーズリード(1勝0敗)を取りました。

結果だけ見れば「RS で 4-1 と勝ち越していた天敵スパーズが、Game 1 を取った」。これは予想通りです。でも、Game 1 でいきなり2OTになるとは、誰も予想していませんでした。Game 1 の2OTは NBA プレーオフ史上6回目、2013年の Spurs-Warriors 以来13年ぶりの死闘です。

そして、本記事の鍵はもう1つ。今朝の Court Vision 記事「MVP vs DPOY──JW復帰のサンダー、Wembyのスパーズ、WCF Game 1 を分ける戦線」で提示した 3つの予想(Wembyペイント支配・若手の3P/覚醒・天敵スパーズ)が、全部 Game 1 で答え合わせされたこと。順番に振り返ります。

この記事のポイント
  • 予想①Wemby のペイント支配──結果は 41点24リバウンド、しかも 22歳134日で NBA PO 史上最年少の 40+20(過去記録 Kareem の22歳343日を更新)。SGA を FG 7/23 に封じる答え合わせ。
  • 予想②若手の覚醒──Dylan Harper(2025ドラフト2位ルーキー)が 24点・スパーズPO記録7スティール。Castle が17点を加え、層の厚さで Game 1 を奪取。
  • 予想③天敵スパーズの構図継続──RS 4-1 リードの構図がそのまま Game 1 に継続。ただし Game 1 から2OT は史上6回目の濃度。
TODAY'S TAKEAWAY
Wemby 22歳134日で 40点24リバウンド── これは NBA プレーオフ史上最年少の 40+20 達成です。これまでの記録は1970年 NBA ファイナルの Kareem Abdul-Jabbar(22歳343日)。56年ぶりに塗り替わった計算になります。同じ夜、Game 1 から2OT に突入したのも NBA PO 史上6回目、2013年以来13年ぶり。**1日に歴史記録が2つ重なる Game 1** という、観た人だけが目撃した稀有な夜でした。

背景と文脈:今朝の Court Vision 記事で提示した3つの予想

今朝の WCF Game 1 プレビューで、Court Vision は3つの「Game 1 を分ける戦線」を提示しました。

  • 予想①:DPOY 受賞 Wemby のペイント支配が、SGA のドライブを抑える
  • 予想②:若手の3Pが当たる日にスパーズが勝つ、というRS で見えていた構造
  • 予想③:RS で 4-1 と勝ち越した「サンダー唯一の天敵スパーズ」の構図

結果として、3つ全部が Game 1 で現実化しました。「Spurs が Game 1 を取った」自体は予想通り。でも Game 1 でいきなり2OT は誰も予想していなかった濃度です。

データブロック①:Game 1 最終スタッツ

■ 最終スコア:SAS 122-115 OKC(2OT)/シリーズ SAS 1-0
■ クォーター別:SA 27-24-29-21-21(2OT) / OKC 27-17-29-28-14(2OT)
■ 第4Q終了:101-101(両軍同点、Wemby のオフバランスシュートを Holmgren がブロック)

■ Wembanyama(SAS):41点・24R・3A・1S・3B・FG 14/25・3P 1/2・FT 12/13・49分(NBA PO 史上最年少40+20)
■ Harper(SAS):24点・11R・6A・7S・FG 8/20・3P 1/7・FT 7/7・47分(スパーズPO チーム記録の7STL)
■ Castle(SAS):17点・11A・FG 5/14・TO 11・49分
■ Vassell(SAS):13点・3P 3/9・51分/Keldon Johnson(SAS):13点・3P 3/6/Champagnie(SAS):11点・REB 9

■ Caruso(OKC・ベンチ):31点3P 8/14(57%)・FG 11/19・32分(キャリア2番目の高得点)
■ Williams(OKC):26点・7R・3A・FG 11/25・37分(26日ぶり復帰戦)
■ Gilgeous-Alexander(OKC):24点・12A・5S・FG 7/23(30%)・3P 2/7・FT 8/9・51分(MVP受賞翌日)
■ Holmgren(OKC):8点・8R・2B・FG 2/7・41分(第4Q終了直前に Wemby をブロック)

■ チーム:SAS FG 43%・3P 13/43(30%)・FT 27/29(93%)・REB 61・AST 25・TO 21
■ チーム:OKC FG 41%・3P 17/45(38%)・FT 16/19・REB 40・AST 25・TO 14
リバウンド差:SAS +21(61対40、Wemby 24・Harper 11 が中心)

選手スタッツ一覧(box score)──2OTの総力戦、二桁はSAS6人・OKC3人

WCF Game 1 選手スタッツ(二桁得点者)
選手PTSREBAST3PFGMIN
サンアントニオ・スパーズ
#1Victor Wembanyama412431-214-2549
#2Dylan Harper241161-78-2047
#5Stephon Castle176111-65-1449
#24Devin Vassell13623-95-1251
#3Keldon Johnson13003-64-922
#30Julian Champagnie11913-114-1244
オクラホマシティ・サンダー
#9Alex Caruso31218-1411-1932
#8Jalen Williams26731-311-2537
#2Shai Gilgeous-Alexander243122-77-2351

PTS=得点/REB=リバウンド/AST=アシスト/3P=3P成功-試投/FG=FG成功-試投/MIN=出場時間。背番号は選手名の左。二桁得点者のみ掲載。出典:ESPN/CBS Sports。

この数字の読み方

2OTの総力戦は出場時間に出ます。Vassell 51分、Wemby・Castle 49分、Harper 47分──SAS主力が全員45分超で戦い抜きました。対するOKCはCaruso 31点(FG11-19)のベンチ爆発が光るも二桁は3人。ミニバスでも延長戦は「最後に足が残っている方」が勝ちます。スターターの総力で押し切った夜でした。

予想①の答え合わせ:Wemby のペイント支配──41-24、SGAを7/23に封じた夜

今朝の予想で最も重視したのは、「Wemby の DPOY 守備が SGA のドライブを抑える」という構図でした。結果、その通りどころか、想定を超える形で実現しました。

SGA は前半 FG 1/5・4点。最終的には24点12アシストまで戻したものの、FG 7/23(成功率30%)は MVP受賞翌日の試合としては衝撃的な数字です。Wemby が中央で守って、SGA がリムまで届かない場面が前半繰り返されました。

そして Wemby 自身は 41点24リバウンド(FG 14/25・3P 1/2・FT 12/13、49分)。22歳134日でこの数字を出したのは、NBAプレーオフ史上最年少の40+20達成です。これまでの記録は1970年プレーオフ・東地区決勝 Game 5(vs 76ers)で46点25リバウンドを叩き出した Kareem Abdul-Jabbar(当時 Lew Alcindor)56年ぶりに塗り替わりました。

第4Q終了直前、Wemby のオフバランスシュートを Holmgren がブロックして 101-101 のまま OT 突入。OT1 終盤に Wemby が 同点の3P を決めて2OT へ。OT2 終盤は Wemby の連続ダンク(うち1つは and-1)でスパーズが突き放しました。

ここだけ覚えて
Wemby 22歳134日で 40+20── 過去記録は 1970年プレーオフ・東地区決勝 Game 5 で Kareem(当時 Lew Alcindor)が46点25リバウンドを記録。56年ぶりに塗り替えた史上最年少記録です。同じ夜に Game 1 で2OT(史上6回目・13年ぶり)も発生。歴史記録が二重に重なった、稀有な夜でした。

予想②の答え合わせ:若手の覚醒──Harper 24点・7STL、Castle 17点

今朝の予想②は 「若手の3P/覚醒がスパーズを支える」でした。Game 1 で最も明確に答え合わせされたのが、ここです。

主役は Dylan Harper(2025ドラフト2位指名のルーキー)。24点・スパーズPO チーム記録の7スティールを記録しました。ルーキーがPOで7STLは、リーグ全体でも数えるほどしかない数字です。今朝の記事で「Tim Duncan 以来のルーキー2回ダブルダブル」と紹介した男が、Game 1 でさらに上を行ったわけです。

同じく若手の Stephon Castle(2024-25 ROY)が 17点。Devin Vassell・Keldon Johnson が 各13点、ベンチの Julian Champagnie が 11点Wemby 以外で5人がふた桁得点という、層の厚さが Game 1 の勝利を支えました。

予想③の答え合わせ:天敵スパーズの構図がPOにそのまま継続

今朝の予想③は 「RS で 4-1 と勝ち越したスパーズが、Thunder 唯一の天敵」。これも完全に Game 1 でそのまま現実化しました。

Wemby のペイント支配 + 若手の3P + チーム全体での得点分散── RS で機能していたスパーズの勝ち方が、PO Game 1 でも同じ構造で機能しました。RS の数字は PO で別人のように仕上がると言われがちですが、相性の悪さは PO まで持ち越されることが、ここで証明された格好です。

ただし、「Game 1 を2OT で取った」自体は予想を超えた濃度。Spurs の勝ち方が想定より遥かに激しく、Thunder 側も Caruso 31点(3P 8/14)・JW 復帰戦26点で食い下がりました。Game 1 から2OT は NBA PO 史上6回目、2013年 Spurs-Warriors 以来13年ぶりです。

もう1つ、勝敗を分けた地味な数字が リバウンド差 SAS 61・OKC 40(+21)。スパーズは TO 21 と Thunder の14より7個多い ── つまり攻撃機会を失う場面が多かったのに、それを上回るリバウンド支配で取り返した。Wemby 24、Harper 11、Champagnie 9 と、ビッグ以外の選手まで体を張ってリバウンドを拾ったのが大きい。

サンダー側の救世主:Caruso 31点・JW 復帰戦26点

サンダー側で機能したのは2人。

Alex Caruso がベンチから31点、しかも3P 8/14(57%)。これは キャリア2番目の高得点です。普段はディフェンス専門のスペシャリストが、Game 1 で「3Pシューター」として化けた。SGA が前半 1/5 で苦しむ中、Caruso のキャッチ&シュートがチームを繋いだ格好です。

そして 26日ぶり復帰の Jalen Williams が26点。出場時間制限が見込まれていた復帰戦で、いきなりこの得点です。今朝の予想「JW 復帰でサンダー完全体」は、個人パフォーマンスとしては機能しました。ただし、それでも勝てなかったのが今夜の結論です。

データブロック②:今朝の予想 vs Game 1 結果

■ 予想①Wemby ペイント支配:完全予想通り──Wemby 41-24、SGA FG 7/23(前半1/5)
■ 予想②若手覚醒:完全予想通り──Harper 24点&PO チーム記録7STL、Castle 17点
■ 予想③天敵スパーズ:完全予想通り──RS 4-1 の構図が PO Game 1 でもそのまま
■ 「Spurs が Game 1 取る」:予想通り(RS の延長線で想定内)
「Game 1 で2OT」:予想を超えた濃度(史上6回目・2013年以来13年ぶり)
Wemby 22歳で40+20予想を超えた歴史記録(Kareem 1970年以来56年ぶり)
■ JW 復帰戦26点:個人は機能、ただし敗戦
■ Caruso 31点:キャリア2番目、サンダー側の唯一の希望

2OT 史上6回目という事実──Game 1 で何が異常だったか

Game 1 で2OT に突入したのは、NBA プレーオフ史上6回目。直近は 2013年 Spurs-Warriors の WCSF Game 1(13年ぶり)。ちなみにこの時もスパーズが勝っています。

Game 1 が2OT になる確率は、過去のPO Game 1 を母数で考えるとごく稀。普通の Game 1 はチーム同士が様子見をする「ジャブ的展開」になることが多い中で、今夜は 規定時間で 101-101 の同点・OT1 で Wemby が28秒残しの3P という、シリーズ最終戦級の濃度でした。

この「Game 1 の濃度」自体が、シリーズ全体の予測を難しくします。今後の試合がどうなるのか、想像もつかない。Court Vision で5/19朝に書いた予想は当たりましたが、シリーズ全体の予測はここから完全に未知数です。

今後の展望:Game 2 でサンダーが何を変えるか

シリーズは 1-0 で Spurs リードGame 2 は日本時間5/21(木)朝9:30、ホーム OKC 開催が続きます。サンダーの調整ポイントは2つ。

第1に、SGA の前半シューティング。Game 1 の前半 FG 1/5・4点は、シリーズが続けば致命的です。Wemby を引き出すペイント以外の得点ルート(ミッドレンジ、kick-out 3P)を Game 2 で見せられるか。

第2に、Wemby のペイント侵入を抑える具体策。Holmgren と Caruso のローテーション守備で、Wemby の連続ダンクを最後まで止めきれなかった。Game 2 で Daigneault HC がどんなアジャストを見せるかが鍵です。

3つの予想が現実化、Game 1 史上6回目の2OT、Wemby の歴史的40+20── 白熱の Game 1 でした。次は 日本時間5/21(木)朝9:30、舞台は引き続き OKC で続きが始まります。

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