2026年5月13日、サンアントニオのフロスト・バンク・センターで西カンファレンス準決勝Game5が行われる。スパーズとウルブズ(ミネソタ・ティンバーウルブズ)のシリーズは2勝2敗のタイ。NBAプレーオフの統計では、2-2タイから本拠地に戻ったチームがそのGame5を制する確率は73.1%、さらにGame5勝者がシリーズを勝ち抜く確率は82%——数字上スパーズは圧倒的に有利だ。それでもウルブズには勝機がある。Game4で示された3つの数字が、その根拠を物語っている。Wembanyama(ウェンバンヤマ)を完全に封じた守備、Edwardsの4Q爆発、Reidが肘打ちを受けながらも見せた粘りだ。
このシリーズはR1を勝ち上がった両チームの「世代対決」として注目されてきた。スパーズは21歳のスーパースターWembanyamaを軸に組織化された若いロスター、ウルブズはEdwardsを中心としたフィジカルなコンテンダーだ。4試合の結果は揺れに揺れた。Game1はウルブズが敵地で104-102と接戦をモノにしたが、Game2はスパーズが133-95でホームコートの面目を保つ大勝。Game3はサンアントニオが敵地ミネアポリスで115-108と連勝し、シリーズを2-1とリードした。だがGame4でウルブズが114-109で踏みとどまり、シリーズは振り出しに戻った。
Game4の4Q、ウルブズが追い上げを見せる中でWembanyamaがReidへの肘打ちでフラグラント2を受けて退場した。スコア4点という数字は、彼が今シーズン記録した中でも最低レベルだ。Game1で12ブロックを記録した守備の支柱、Game3で39点・FG 72.2%を叩き出した攻撃の核——その存在がコートから消えた瞬間、スパーズの組織は急速に機能不全に陥った。プレーオフ経験の浅さが、最も大事な局面で露呈した形だ。
一方のEdwardsは4Qに16点を集中させ、勝負を決めた。今プレーオフのEdwardsはR1から「勝負どころで一気にギアを上げる」スタイルを確立しており、4Q平均得点はリーグトップクラス。Game5でも同じパターンが繰り返される可能性は高い。スパーズが対策すべきは「Edwardsの4Q対策」だ。シリーズを通じてEdwardsへのダブルチームは中途半端で、3Pラインの外側からのプルアップを止められていない。
WembanyamaのGame4退場後、リーグオフィスは追加処分を見送った。フラグラント2による退場は規定上の処分対象だが、今プレーオフのWembanyamaは初めてのフラグラント2だったため出場停止には至らなかった。Gregg Popovichヘッドコーチは試合後の会見で「審判の判定について議論するつもりはない、次の試合に集中する」と短くコメント。チーム内に動揺はなく、Game5に向けてフルメンバーで臨む構えだ。ただしWembanyamaが感情を抑えきれずに退場した事実は、ウルブズ側にとって「彼を揺さぶる戦術が機能する」という重要な情報を残した。
統計上スパーズが73%有利だが、ウルブズが勝機を作る3つの数字がある。①Game4でEdwardsが4Q 16点を決めたという「勝負強さの確認」、②Wembanyamaがフラグラント2退場で感情をコントロールしきれない可能性、③Reidが肘打ちを受けながらも復帰して重要局面を支えたフロントコートの厚み。ウルブズが守備でWembanyamaに圧をかけ続けてフラストレーションを溜めさせ、Edwardsが4Qに点を稼ぐパターンに持ち込めば、73%の壁を破る可能性はある。逆にスパーズはWembanyamaを冷静に保ち、ベンチからのスコアを安定させればホームで勝ち切れる。シリーズ勝者は5月17日開始予定の西カンファ・ファイナルへ進む。
八村塁が所属するレイカーズはサンダーに0-4でスウィープされて既に敗退している。日本人エースの今シーズンの戦いは終わったが、西カンファの覇権争いは佳境を迎えた。サンダーがウェスタン・ファイナルへ既に駒を進めており、もう一方の対戦相手をスパーズとウルブズが争っている形だ。Wembanyamaが本格的にカンファ・ファイナルへ進出すれば、若手スターのMVP争いが一気に過熱する。八村塁とレイカーズが来季「Playoff Rui」をどう活かして西の上位に食い込むかを考える上でも、今夜のGame5は重要な指標となる。サンアントニオの夜が、西の未来図を一段クリアにする。
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