R1をスウィープで突破したオクラホマシティ・サンダーが、西地区準決勝で真価を問われる。相手はリーグ守備効率(DRtg)1位・106.8を誇るチームだ。SGAがR1で見せた33.4点・5.2アシスト・FG率53%という圧倒的なスタッツも、ここから先は通用しない可能性がある——少なくとも同じ方法では。開幕前夜、データと戦術の両面からシリーズの行方を読み解く。
OKCは今季レギュラーシーズンを64勝18敗・西地区1位で終えた。特筆すべきはオフェンシブレーティング(OffRTG)120.1というリーグ最高値で、ペース・スペーシング・SGAの個人技が三位一体で機能した結果だ。R1ではフェニックス・サンズをスウィープし、SGAのクラッチパフォーマンス(残り5分・5点差以内での得点効率1.41点/ポゼッション)がリーグ随一であることを証明した。しかし今回の相手は質的に異なる。守備システムの完成度とビッグマンのヘルプ体制が、SGAのペネトレーションを封じる設計で機能している。
相手チームの守備は「ドロップカバレッジ+ヘルプビッグ」が基本形だ。ガードがピックアップし、ビッグマンがペイント内に留まってドライブを待ち受ける構造——これがSGAのフローターとレイアップを消す主要な手段だ。SGAへの対応策として、R1のサンズは「ハードショウ+ローテーション」を試みたが失敗。今回の相手はより徹底したドロップと、ヘルプポジションの緻密さで上回る可能性がある。ただし、OKCにはJWill不在という逆境の中でも台頭した若手ウィング陣がおり、SGAへのダブルチームが増えればコーナーへのキックアウトが生まれる。チームとして攻略するか、SGAの個人技で強行突破するか——コーチ陣の采配が問われるシリーズだ。
OKCはトランジションでリーグ1位のファストブレイク得点(18.7点/試合)を誇るが、相手はターンオーバーをリーグ最少水準(12.1回/試合)に抑える堅実なチームだ。OKCがペースを上げたくても、相手はボールセキュリティで応戦する。消耗戦になれば相手の経験値が増す一方、OKCの若さが逆に「疲弊しない体力」として機能する側面もある。
シリーズの分岐点はGame 2以降にある。Game 1でOKCが先制すれば相手はオープン3Pを許容するリスクを取り始め、SGAのキックアウトパスが機能し始める。逆に相手が先行すれば、OKCは焦れてターンオーバーを犯すリスクが高まる。ホームアドバンスを持つOKCが最初の2試合を制せるかが、シリーズの構造を決定づける。
渡邊雄太は過去にこの対戦相手と複数回ぶつかっており、その守備システムの堅牢さを身をもって経験している。特にウィング守備の精度とローテーション速度は渡邊自身が「NBA最高水準の一つ」と評した実績がある。日本のバスケファンにとって、このシリーズはNBA守備の最前線を学べる最良の機会だ。
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