2026年5月12日、ニューヨーク・ニックスが76ersとの東地区準決勝で第4戦を144-114で制し、シリーズ4連勝でスウィープを達成した。2年連続となるEastern Conference Finals(ECF)進出——前季2024-25にもECFへ進んだニックスが、勢いを保ったまま再び歴史的な舞台に立った。数値が示すのは単なる勝利以上のものだ。4試合を通じた得点差+89という数字は、R1以外のシリーズとして歴代屈指の一方的なパフォーマンスを証明している。
ニックスは前季2024-25シーズン、25年ぶりにECFへ進出した(最後の進出は2000年)。Patrick Ewingを擁してファイナルまで駒を進めた1999年以降は長く低迷と再建を繰り返したが、近年は守備強度と集団的なバスケットボールを軸に再び東地区の上位常連へと返り咲いた。今シーズンはMike Brownを新ヘッドコーチに迎え、53勝29敗・東地区3位でレギュラーシーズンを終え、R1でアトランタ・ホークスを4-2で、R2で76ersをスウィープで退けてECFへ進んだ。
このシリーズを通じてニックスの精神的支柱となったのはJalen Brunsonだ。Game1の35点は相手の戦意を序盤から挫く完璧なパフォーマンスで、MSG(マジソン・スクエア・ガーデン)を熱狂の坩堝へと変えた。Game2では接戦になりながらも終盤のクラッチショットを沈め、Game3では33点・9アシストでオフェンスをコントロールした。ポイントガードとしての成熟度が、このシリーズで一段階上のレベルに達したことを証明している。
もう一人のヒーローはMiles McBrideだ。Game4で3P 7/9成功・25点という爆発的なパフォーマンスを披露し、スコアラーとしての新たな顔を見せた。3P成功数25本という数字はプレーオフ最多タイ記録であり、ニックスがいかにシューターを効果的に使えているかを示している。Mike Brown体制が志向するスペーシングと、Brunsonが創り出すペネトレーションからのキックアウトが有機的に機能した結果だ。
懸念材料はOG Anunobyの健康状態だ。Game2で24点と圧倒的な存在感を示したウィングディフェンダーは、Game3以降にパフォーマンスが急落し、Game4では不出場となった。ECFの相手が強力なウィングを擁するチームであれば、Anunoby不在はニックスの守備計画を大きく狂わせる。次のシリーズまでに状態がどこまで回復するかが、ニックスの「悲願のファイナル制覇」への最大の変数となる。ECFはピストンズvsキャバリアーズの勝者と5月19日に開幕予定だ。
連続スウィープという結果が示すように、現在のニックスは東地区で最も完成度の高いチームと言える。Brunsonが軸のオフェンスはシステムとして機能し、Mike Brown体制の守備哲学が選手全員に浸透している。ECFに向けて最大の課題はAnunobyの回復と、より高いレベルの対戦相手への適応だ。しかし今季のニックスが見せてきた集団的な強さは、単なる勢いではなく設計された組織力によるものだ。2年連続でECFに立つニックスが歴史を書き換えるとき、それはMSGの熱狂とともに訪れるかもしれない。
八村塁が所属するロサンゼルス・レイカーズはウェスタン・カンファレンスのチームのため、ニックスのECF進出には直接関わらない。しかしニックスがECFを勝ち上がった場合、NBAファイナルではウェスタンの覇者と対戦する。OKCを中心とした西地区の争いと合わせて、ファイナルのカードがどうなるかは日本のNBAファンにとっても大きな関心事だ。
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