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チーム分析

サンダーに0-4で散ったレイカーズの夏——八村塁残留・Doncic完全復帰・編成の3問題

公開日2026.05.16編集部 · 12 min
チーム分析NO. 33
0-4
SWEEP

レイカーズが2025-26シーズンを53勝29敗の西カンファレンス4位で終え、プレーオフではロケッツを4-2で退けて2回戦に進出した。しかし2回戦でオクラホマシティ・サンダーに0-4でスウィープ敗退、シリーズの平均点差は約14.5点。Doncicがレギュラーシーズン終盤の左ハムストリング損傷で全休した影響もあり、王者候補との実力差を見せつけられた形だ。問題はここから先、この夏に決まる3つの大きな選択にある。八村塁の残留、Doncicの完全復帰、そしてLeBronとReavesを巻き込む編成――Pelinka社長兼GMが動かす本当の勝負はオフシーズンに始まる。

背景と文脈:53勝29敗の好調と、Doncic不在の代償

レイカーズはレギュラーシーズンを53勝29敗で終え、パシフィック・ディビジョン1位、西カンファレンス4位。2009-10シーズン以来となる2年連続50勝超えだ。シーズン中盤の2025年2月のDoncicトレードでチームを再構築し、3月以降は西の上位グループに食い込んだ。だが4月2日のサンダー戦でDoncicが左ハムストリングを痛め、当初Grade 2と診断されたものの、スペインでの再検査で「想定より深刻な深部の損傷」と判明。当初4〜6週とされた復帰見込みは実質8週に延び、プレーオフは全休となった。リーグ得点王(64試合・平均33.5得点)を欠いた状態でディフェンディングのサンダーと当たる構図は、最初から分が悪かった。Game 1からGame 3まで-18、-18、-23と一方的に敗れ、Game 4だけ110-115の接戦に持ち込んで終わった。

データブロック①:レイカーズの夏に向けた数字

■ 2025-26 最終成績:53勝29敗(西カンファレンス4位、パシフィック・ディビジョン1位)
■ 2026-27 サラリーキャップ:1.65億ドル(ファーストエプロン2.09億、セカンドエプロン2.22億)
■ 八村塁:3年5,100万ドル契約最終年、2025-26年俸18.3M、2026年夏UFA、キャップホールド27.4M
■ 八村塁プレーオフ:平均16.7得点・3P成功率58.0%、通算プレーオフ3P成功率51.7%(100本以上試投で歴代1位)
■ Doncic:64試合・平均33.5得点で得点王、左ハム損傷で8週離脱、現在はランニング再開段階
■ LeBron James:52.6Mのプレイヤーオプションを行使、2026年夏UFA、本人「sincerely unsure」
■ Austin Reaves:2026-27プレイヤーオプション(14.9M)を辞退してUFA予定、レイカーズが5年2.4億ドル提示の報道
■ JJ Redick HC:2025年9月に2年延長、契約は2029-30シーズンまで

詳細分析:「3問題」それぞれの現在地

1. 八村塁残留——「100本以上3P」歴代1位の説得力。八村塁は2026年夏にアンレストリクテッドFA(UFA)になる。これは他球団からの契約オファーを自由に受けられる完全な自由契約で、現所属のレイカーズは「マッチ権」を持たない。つまりレイカーズが残留させるには、他球団との価格競争に勝つ必要がある。今プレーオフでは10試合で平均16.7得点・3P成功率58.0%、これにより通算プレーオフ3P成功率は51.7%に達し、100本以上の試投者では歴代1位を維持した。本人はレイカーズ残留を望んでいるとの観測が複数の現地メディアから出ており、米メディアの市場予想は年15〜20Mドル。Pelinka社長兼GMとしては、八村塁を年20M前後で長期確保するか、他球団との競合で価格を吊り上げられる前に決着させる必要がある。Doncic不在の中でこの水準を維持できる選手は、来季の西カンファレンスでの戦い方に直結する存在だ。

2. Doncic完全復帰——8週離脱からのフルオフシーズン。当初Grade 2の左ハムストリング肉離れと診断されたDoncicは、スペインでの追加検査で「想定より深い損傷」と判明し、結局8週離脱でプレーオフは全休となった。現在は痛みが消えてランニングを再開している段階で、フルオフシーズンを経て来季開幕に間に合う見込みだ。ただし問題は復帰の早さではなく、フルシーズン稼働できるコンディションを取り戻せるかにある。得点王33.5点・MVP最終候補に絡んだリーグ屈指のスコアラーが10月の開幕戦から80試合フル稼働すれば、レイカーズの天井は一段上がる。逆にハム再発のリスクを引きずれば、来季も「Doncic欠場時の戦い方」を準備しておく必要がある。

3. 編成——LeBron・Reavesの去就とサンダーモデルとの差。本当に難しいのはここから先だ。LeBron James(41歳)は52.6Mのプレイヤーオプションを行使したが、来夏はUFA。本人は引退・残留・他球団移籍の3択について「sincerely unsure」と語っており、Pelinka社長兼GM・Redick両者ともに残留歓迎を表明している。Austin Reavesは2026-27の14.9Mプレイヤーオプションを辞退してUFAになる予定で、市場予想は年40Mクラス。レイカーズは5年2.4億ドル提示との報道も流れている。さらに、サンダーがGame 4でJalen Williamsを欠きながらAjay Mitchellのキャリアハイ28点で勝ち切った「ベンチデプスの厚さ」は、Pelinkaが目指すべきモデルだ。Anthony Davisを2026年2月にWizardsへ放出した後のロースターはまだ薄く、Doncic周辺の二番手・三番手の補強がオフの中心議題になる。

データブロック②:サンダーとの差を示した数字

■ R2シリーズ結果:0勝4敗でスウィープ敗退
■ Game 1:レイカーズ 90 – サンダー 108(-18)
■ Game 2:レイカーズ 107 – サンダー 125(-18)
■ Game 3:レイカーズ 108 – サンダー 131(-23)
■ Game 4:レイカーズ 110 – サンダー 115(-5、4Qに八村塁が4点プレイで2点差まで詰める)
■ シリーズ平均点差:約14.5点差
■ サンダー:今プレーオフ通算 8勝0敗、平均得点差+16.6点(16チーム制移行後で歴代5位)
■ サンダー Ajay Mitchell(Game 4):キャリアハイ28点・4アシスト・4スティール、ベンチからの爆発

サブトピック:Pelinka体制とRedick采配の風当たり

Pelinka社長兼GMは2026年シーズン中に解任観測が流れていたが、新オーナーMark Walter体制下でAssistant GMを2名増員する形で続投が決まった。フロント拡張はDoncicの3年マックス延長やReavesの長期契約交渉を見据えた人員強化と見られる。JJ Redick HCは2025年9月に2年延長で総額4,500万ドル、2029-30シーズンまで契約済みで続投確定だが、サンダー戦Game 4の終盤、残り数秒のタイ狙いの3Pシーンで八村塁をベンチに置いていた起用判断には米メディアからの批判もあった。NBA Awards(年間最優秀コーチ)ではJB Bickerstaff(ピストンズ)がNBCA投票で受賞しており、Redickにとっては来季が真価を問われるシーズンになる。プレーオフでの采配の精度が、レイカーズが「サンダーに追いつくチーム」になれるかどうかを左右する。

今後の展望:FA開始までの約7週間で動くもの

2026年7月のNBAフリーエージェント開始まで残り約7週間。レイカーズが動くべき優先順位は明確だ。①八村塁の長期契約交渉を6月内に決着させて他球団との競合を避ける、②Doncicの3年マックス延長で来季以降のチーム軸を固定する、③Reavesの5年2.4億ドル契約をまとめる、④LeBronの決断(残留・移籍・引退)を見極めて、それに応じた補強プランを動かす――この4つが並行する。サラリーキャップ1.65億ドルの中でDoncic+Reaves+八村塁の主軸3人を確保しつつ、サンダーのようなベンチデプスを作るには、ミドル・ティアの3〜4人の補強が必須となる。Pelinkaが新オーナー体制下で本領を発揮するのは、この夏だ。

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