キャバリアーズ対ニックス(Cavaliers vs Knicks)のECFファイナル Game 2は、ニックスが 109-93 でキャバリアーズを下しました。これでシリーズは ニックスの2勝0敗。舞台はクリーブランドへ移ります。
この日の主役は1人じゃありません。Josh Hart が自己プレーオフ最多の26点、Jalen Brunson は19点ながら 自己最多の14アシスト で司令塔に。Mikal Bridges も19点と、複数の選手が役割を果たして勝ち切った試合なんです。
スター頼みではなく「層(デプス)」で押し切る——それが今のニックスの強さでした。
Game 1は、ニックスが終盤に追い上げて競り勝った接戦でした。キャバリアーズからすれば「取れた試合を落とした」流れです。
そのGame 1で焦点になっていたのが、キャバリアーズの司令塔 James Harden が スクリーンでスイッチを強いられ、ミスマッチを突かれる守備上の弱点(=「スイッチ狩り」)でした。
ところがGame 2のHardenは18点・6アシスト・2スティールと持ち直します。つまりプレビューで語られた「Hardenの被ミスマッチ」は、この日の決め手ではなかった。では何が勝敗を分けたのか。答えは ニックスの層の厚さと、キャバリアーズのオフェンス不振 でした。
| 選手 | PTS | REB | AST | 3P | FG | MIN |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ニューヨーク・ニックス | ||||||
| #3Josh Hart | 26 | 4 | 7 | 5-11 | 10-21 | 33 |
| #11Jalen Brunson | 19 | 3 | 14 | 1-7 | 7-16 | 40 |
| #25Mikal Bridges | 19 | 3 | 3 | 1-1 | 9-12 | 40 |
| #32Karl-Anthony Towns | 18 | 13 | 1 | 3-5 | 7-12 | 36 |
| #8OG Anunoby | 14 | 4 | 3 | 2-4 | 5-8 | 32 |
| クリーブランド・キャバリアーズ | ||||||
| #45Donovan Mitchell | 26 | 4 | 1 | 2-7 | 8-18 | 39 |
| #1James Harden | 18 | 6 | 2 | 3-7 | 6-15 | 32 |
| #4Evan Mobley | 14 | 6 | 3 | 2-3 | 5-8 | 37 |
| #31Jarrett Allen | 13 | 10 | 0 | 0-0 | 5-10 | 29 |
PTS=得点/REB=リバウンド/AST=アシスト/3P=3P成功-試投/FG=フィールドゴール成功-試投/MIN=出場時間。数字の左は背番号。二桁得点者のみ掲載。出典:ESPN/Land of Basketball(2026-05-21)。
表で一番効くのは 二桁得点の人数差(ニックス5人・キャバリアーズ4人) です。とくに Brunson は 19点に対して14アシスト──エースが自分で取るより配って、Hart(26点)や FG9/12 の Bridges を活かしました。ミニバスでも「点が取れる子が囮(おとり)になってパスを呼び込む」とチーム全体が一気に楽になりますが、それを最高レベルでやった夜です。対するキャバリアーズは Mitchell 26点が1アシストで孤立(FG8/18)。同じ"エース26点"でも、Hart は7アシスト付き・Mitchell は独力と、周りの巻き込み方が対照的でした。
この試合のBrunsonは、前半をわずか2点で折り返しました。普段ならスコアラーとして引っ張る選手が、です。
でも、それで崩れないのが今のニックス。Brunsonは自分で取りにいく代わりに 14アシスト を記録し、味方を活かす司令塔役に徹したんです。
そのパスを決め切ったのがHartでした。3Pを5本沈め(11本中)、自己プレーオフ最多の26点。普段は得点が主役ではない選手が当たった夜は、相手にとって本当に厄介です。
さらにBridgesがFG12本中9本の高確率で19点、Townsも18点13リバウンド。Brunsonが配り、周りが決める——スター1人を消しても次が出てくる「層の厚み」で勝った構図でした。
この試合の分岐点は、はっきりしています。第3クォーター序盤の18-0ラン です。
後半開始直後、キャバリアーズが走り、Donovan Mitchell のフロート(残り10:35)で 53-53の同点 に追いつきました。ここまではキャバリアーズの時間でした。
ところが、ここからニックスの猛攻が始まります。Brunsonの3P、ペイントを割って Mitchell Robinson に合わせたアリウープ、そして Hart の得点が続き、点差は一気に 71-53 へ。Brunsonが「自分で取る」のではなく「配る」ことで、ニックスの得点源が次々と顔を出した時間帯です。
この間、キャバリアーズはフィールドゴールもフリースローも1本も決められず、得点が完全に止まりました。ランを止めたのは Max Strus(CLE)のコーナー3P。これがキャバリアーズにとって「残り10:35以降で初めての得点」でした。約5分半、無得点で走られた計算です。
キャバリアーズは4Q序盤に7点差まで詰める場面もありましたが、この第3Qのビハインドは最後まで覆せませんでした。
ポイントは、Hardenは持ち直したのにキャバリアーズは負けた という事実です。敗因はHarden個人ではなく、チーム全体のシュート確率と、流れを失った第3Qにありました。
舞台はクリーブランドに移ります。キャバリアーズにとっては本拠地での巻き返しが焦点です。
宿題は明確。第3Qのような「得点が止まる時間」をなくすこと、そしてチーム全体のシュート確率を上げること。Mitchell頼みでは、ニックスの層に押し切られてしまいます。Hardenが復調傾向にあるのは、数少ない光です。
NBAのプレーオフで2勝0敗からシリーズをひっくり返すのは、歴史的に見てもかなり難しい状況です。しかもニックスはプレーオフ9連勝中で、「誰か1人を止めれば終わり」のチームではありません。
Brunsonを抑えればHartやBridgesが出てくる——この層の厚さこそ、キャバリアーズにとって一番やっかいな相手です。
この試合の持ち帰り は1つ。ニックスはスターの個人技ではなく「全員バスケ」で勝ったということ。Game 3で本拠地の力を借りてキャバリアーズが反撃できるか、ここがシリーズの分かれ目になりそうです。
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