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戦術分析

14点リードを守れず OT 負け──Cavs が"競り勝てたはず"の ECF Game 1 で突きつけられた宿題

公開日2026.05.20編集部 · 8 min
戦術分析NO. 26
OT
ECF GAME 1 RECAP

日本時間5月20日朝、ECF Game 1。MSG に乗り込んだキャバリアーズは、3Q 終了時に 83-69 と14点リードを築きました。最大では22点差。誰もが「今日は盗める」と思った試合です。

ところが、ふたを開ければ 104-115(OT)。ニックスがフランチャイズ史上最大のプレーオフ逆転でシリーズを 1-0 とした。ただ、これは「ニックスが強かった」だけの試合じゃない。キャバリアーズには 競れた手応え守れなかった宿題の両方が、くっきり残りました。

この記事のポイント
  • 競れた手応え──3Q 終了時 83-69 で14点リード、最大22点差。OT までもつれた接戦で、キャバリアーズは「勝てる土俵」に立っていました。
  • 守れなかった課題──4Q+OT で わずか21点、ターンオーバー21個。アウェイで起きがちな「リード後の停滞」に呑まれました。
  • Brunson の執念──3P は 1-6 なのに38点。確率ではなく、ドライブと FT で削り切った。これがニックスの MSG での怖さです。

何が起きたか──3Q終了83-69から、まさかの逆転

試合の主導権は前半からキャバリアーズにありました。2Q に32点、3Q にも35点を積み、3Q 終了時で 83-69。4Q 中盤、残り 7:52 頃には 93-71 と最大22点差まで広げます。

潮目が変わったのが 4Q。ニックスが 「22-4」のランで一気に詰め寄りました。残り19秒、Brunson のバンクインのレイアップで 101-101 の同点に追いつき、試合を OT へ。

そして延長は ニックス 14-3 の完勝。4Q+OT を合計すると、キャバリアーズが21点しか取れなかったのに対し、ニックスは46点。前半までの貯金が、後半30分弱で丸ごと溶けた格好です。

この 22点差からの逆転は、ニックスにとって フランチャイズ史上最大のプレーオフ逆転。従来記録(20点差・1969-70以来)を更新し、NBA 全体で見ても過去30年で2番目の大逆転でした。それだけ、キャバリアーズは「あり得ない試合」を落としたことになります。

データブロック①──Game 1 のキー数値

■ 最終スコア:CLE 104 - 115 NYK(OT)/シリーズ NYK 1-0
■ 3Q終了時:CLE 83 - 69 NYK(14点リード)・最大リード22点(93-71)
■ 4Q+OT 得点:CLE 21 vs NYK 46
■ FG:CLE 36-90(40%)/NYK 42-88(48%)
■ 3P:CLE 16-50(32%)/NYK 10-32(31%)
■ FT:CLE 16-23(70%)/NYK 21-32(66%)
■ リバウンド:CLE 38/NYK 47
■ ターンオーバー:CLE 21/NYK 19
■ Mitchell(CLE):29点・12-23 FG・STL6・5REB・3AST(40分40秒)
■ Mobley(CLE):15点・14REB・3BLK
■ Brunson(NYK):38点・15-29 FG・3P 1-6・FT 7-10・6AST・STL3
■ Bridges(NYK):18点・7-11 FG

ポイント①──キャバリアーズは"競り勝てたはず"だった

数字:3Q 終了時に14点リード、最大22点差。Mitchell が 29点・STL6で攻守を牽引し、Mobley が 14REB・3BLKでゴール下を締めた。前半は3Pもよく落ちていました。

なぜ:Mitchell のスティール6本が示す通り、前半のキャバリアーズはニックスの攻撃に強い圧をかけていた。ボールを奪い、走り、Mobley と Allen のツインビッグでペイントを守る──狙い通りの試合運びだったんです。

意味:つまり、この敗戦は「力負け」ではない。アウェイの MSG で20点リードを築けた事実は、キャバリアーズにとって紛れもない手応えです。だからこそ「守り切れなかった」ことが、いっそう悔しい1敗になりました。

ポイント②──なぜ守れなかったか、"停滞"の解剖

数字:4Q+OT でキャバリアーズはわずか21点(18+3)。試合全体でターンオーバー21個、FG は40%止まりでした。

なぜ:リードを得た終盤、キャバリアーズの攻撃は明らかに重くなった。前半のように走らず、ハーフコートで一人がボールを持つ時間が増える。アウェイの大歓声の中で、チーム全体が「守りに入った」結果のターンオーバー21個です。点が止まれば、相手は追いつく。

意味:これが G2 最大の宿題です。リードした時こそ攻め続けられるか。MSG のアウェイで「停滞しない仕組み」を作れなければ、同じ展開は繰り返されます。守れなかったのは Brunson のせいだけじゃない、自分たちの停滞が呼び込んだ逆転でした。

データブロック②──運命を分けた 4Q+OT

■ クォーター別(CLE):16 / 32 / 35 / 18 / OT 3 = 104
■ クォーター別(NYK):23 / 23 / 23 / 32 / OT 14 = 115
■ 前半3Q:CLE 83 - 69 NYK(CLE +14)
■ 4Q:CLE 18 - 32 NYK(NYK +14)
■ OT:CLE 3 - 14 NYK(NYK +11)
■ 4Q+OT 合計:CLE 21 - 46 NYK(NYK +25)
■ ニックスの 4Q ラン:22-4
■ 同点弾:Brunson 残り19秒のバンクインで 101-101

ポイント③──Brunson 38点の"中身"

数字:Brunson は38点。ただし内訳を見ると 3P は 1-6。3Pがほぼ入っていないのに、38点を積み上げました。

なぜ:取り口はドライブとミドル、そして FT 7-10。外が当たらない日でも、自分でペイントへ侵入してファウルをもらい、確実に削っていった。3Q途中までスランプ気味だった Brunson が、4Q から「確率ではなく執念で取る」モードに切り替えた格好です。15-29 という試投数も、撃ち続けた証拠。

意味:エースが不調の日でも別の取り口で38点を出せる──これがニックスの MSG での強さの正体です。確率に頼らず点を取れる選手がいると、相手は守りどころを絞れない。キャバリアーズが G2 で最も警戒すべきは、まさにこの「Brunson の引き出しの多さ」です。

シリーズ展望──0-1 のスタート、Cavs の宿題と G2 の鍵

これでキャバリアーズはニックス相手の PO シリーズで4連敗中(過去4シリーズ 0-4)。今シリーズも 0-1と、苦手意識を払拭できない立ち上がりになりました。

ただ、まだ1試合。内容は接戦で、20点リードを築けた事実は本物です。G2 で直すべきは明確──リードした後も攻め続けること、そして ターンオーバーを減らすこと。この2つができれば、MSG でも十分に競れる。守れなかった宿題は重いけれど、解き方はもう見えています。

14点のリードは、守り方を知らなければ簡単に溶ける。G2、キャバリアーズが出す答えに注目です。

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