チーム分析

Cooper FlaggとKyrie Irving──マーベリックスの攻撃をつなぐ3つの仕事

公開日2026.11.05編集部 · 7 min
Cooper FlaggとKyrie Irving──マーベリックスの攻撃をつなぐ3つの仕事

現地10月30日のロケッツ対マーベリックスで、2人は計68得点。Cooper FlaggとKyrie Irvingの活躍で、マーベリックスは116-111で勝っています[2]。

ただ、持ち帰りは68得点の大きさだけではありません。HOU戦では「若手が作り、ベテランが決める」という固定図に収まらず、2人が攻撃をつなぐ可能性が見えました。

開幕直後の小さな標本です。それでも、2人の仕事を「始める・助ける・決める」に分けると、マーベリックスが目指す攻撃の形が見えてきます。

この記事のポイント
  • Flaggも攻撃を作る ── 開幕6試合で平均6.5アシスト、得点だけの役ではない
  • Kyrieも助ける側へ回る ── May HCはスクリーンとカットの連係を説明した
  • 終える人は固定しない ── HOU戦の第4QはKyrieが16得点、Flaggが11得点

25.2得点より先に、6.5アシストを見る

現地11月4日のNBA.com特集掲載時点で、Flaggは開幕6試合で平均25.2得点、5.7リバウンド、6.5アシスト。Kyrieは5試合で21.4得点、3.4リバウンド、4.8アシストでした[3]。

出場試合数が違うため、2人の平均を足してチームの数字にはしません。ここで比べたいのは、どちらも得点とパスを同時に担っている点です。

FlaggはKyrieから攻撃を受け取るだけではなく、味方の得点につなぐ役も担っている。

OPENING SNAPSHOT · NBA.COM NOV. 4
FLAGG · GAMES
6
集計時点
FLAGG · PTS
25.2
1試合平均
FLAGG · REB
5.7
1試合平均
FLAGG · AST
6.5
1試合平均
KYRIE · GAMES
5
集計時点
KYRIE · PTS
21.4
1試合平均
KYRIE · REB
3.4
1試合平均
KYRIE · AST
4.8
1試合平均
※ 出場数が違うため平均値は合算しない。NBA.com 11月4日記事とBasketball-Referenceで照合

May HCの説明では、Kyrieもボールを持たずにスクリーンやカットへ回ります。HOU戦では、主役を2人並べるだけでなく、起点を交代できる可能性が見えました。

仕事1──始める人を交代できる

攻撃を始めるとは、単にボールを運ぶことではありません。最初に守備を動かし、味方が次の判断をしやすい状態を作る仕事です。

NBA.comは、Flaggがドリブルを改善し、ダブルチームを受けた後のボール離れも良くなったと分析しています[3]。球団記事では、HOU戦の連係をDusty May HCが説明しました。2人が互いのためにスクリーンをかけ、カットして注意を引いたという内容です[1]。

どの場面で誰が何回行ったかまでは、今回の資料だけでは数えていません。言えるのは、コーチが2人の相互作用を負担分散として説明したところまでです。

仕事2──ボールを持たずに助ける

2人の価値は、ボールを持つ時間の長さだけでは測れません。片方がスクリーンやカットへ回れば、もう片方は守備のずれを使いやすくなります。

ここが「Kyrieが司令塔、Flaggが得点役」という固定図との違いです。始める人が助ける側へ回り、助けた人が次のプレーで決める側へ移れる。

コーチの補助線

ミニバスでも、得意な選手へ毎回ボールを渡すだけでは守備に読まれます。先にボールを離した選手が止まらず、次のスクリーンやカットへ動く。主役が「休む」のではなく、味方を助ける仕事へ移ると攻撃は続きます。

役割を固定しない利点は、片方だけに連続で難しい判断をさせないことです。May HCも、1人が何度も同じ仕事を担う負荷に触れ、2人で分けられる点を評価しています[1]。

仕事3──最後に決める人も入れ替わる

HOU戦では、Kyrieが35得点、Flaggが33得点。2人で68得点を記録しました[2]。

第4QはKyrieが16得点、Flaggが11得点。マーベリックスはこの12分を40-27で取りました[2]。このHOU戦の第4Qでは、2人とも得点を担っています。

公式PBPを手集計すると、2人が互いにアシストした成功FGは6本。各3本で、計13得点でした[2]。このHOU戦では、2人とも相手のアシストから決める受け手になりました。

この6本は記録上のアシストです。スクリーンやカットが得点を生んだ因果までは示さず、残りの得点に連係がなかったという意味でもありません。

VS HOUSTON · OCT. 30, 2026
FINAL
116-111
マーベリックス勝利
MARGIN
+5
最終点差
KYRIE · PTS
35
ゲーム合計
FLAGG · PTS
33
ゲーム合計
DUO · PTS
68
35 + 33
DAL · 4TH Q
40-27
第4Qの得点
KYRIE · 4TH Q
16
公式PBP差分
FLAGG · 4TH Q
11
公式PBP差分
※ 1試合の具体例。2人の組み合わせ全体の優劣を示す数字ではない

68得点だけで「完成したコンビ」とは決められません。HOU戦は1試合で、開幕直後の平均もFlaggが6試合、Kyrieが5試合です。

見るべきは再現性です。相手が2人の一方へ守備を寄せたとき、もう一方が始める・助ける・決めるのどこへ移るか。仕事の交換が続けば、守備は狙いを一つに絞りにくくなります。

2人の強みは、得点を足せることより、攻撃の仕事を交換できることにある。

次に見るのは、68得点の再現ではない

次の確認点は、毎試合2人が30点を取るかではありません。Flaggが攻撃を始めた後にKyrieがどう助けるか。Kyrieが始めた後、Flaggがどこで受け直すかです。

相手の対策を受けた後も、仕事の交換が続くかはこれからです。数字が下がる日にも同じ形を作れるか追うと、2人の関係が一段深く見えるはずです。

次のマーベリックス戦では、シュートを打った人の一つ前を見る。スクリーン、カット、最初のパスまで追えば、FlaggとKyrieの「二重起点」が本当に続いているかを確かめられます。

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出典

[1] スクリーン/カットと負担分散に関するDusty May HCの説明:Dallas Mavericks「Flagg-Irving tag team shines, but the best is yet to come, they say」(2026年10月31日)
[2] HOU戦の最終スコア、選手記録、公式PBP差分による第4QのKyrie 16得点・Flagg 11得点、相互アシスト成功FG6本・13得点の手集計:NBA.com「Box Score」 / NBA.com「Play-by-Play」 / Dallas Mavericks「Mavericks hand Rockets their first loss」(2026年10月30日)/ Basketball-Reference「Houston Rockets at Dallas Mavericks Box Score」
[3] 11月4日時点のFlagg・Kyrieの出場数と平均、Flaggのドリブル・ダブルチーム対応に関する分析:NBA.com「Cooper Flagg’s ‘unique & special’ talent gives the Mavericks an opportunity」 / Basketball-Reference「2026-27 Dallas Mavericks Roster and Stats」

※ 開幕直後の小標本です。2人の平均は出場試合数が異なるため合算せず、HOU戦の例からシーズン全体の因果を断定していません。

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